プロジェクトを始める際に決めること

自分一人で仕事を行うのとは違い、複数人が関わるプロジェクトは決め事が多いです。

価値観や、経験、考えていることなどは人によって異なるため、プロジェクト成功のためには、なるべく早い段階でプロジェクトの決まりを可視化することが重要です。

この記事では、プロジェクトを始める際に決めておくと良いことを説明します。

複数人でプロジェクトを行う上では、プロジェクトのゴールについて認識を合わせる必要があります。

いつまでに、どのような状態になっていれば良いのかを話し合い、結果をドキュメントにまとめるようにしましょう。

例えば、「20XX年7月31日までに」「XX部のメンバーが新しいシステムで業務を開始できていること」などです。

プロジェクトのゴールというと難しく感じる方もいるかもしれません。

そんな方は、まず身近な例でプロジェクトについて学んでみるのがおすすめです。

プロジェクトは身近なところにある|プロジェクトマネジメント基本 プロジェクトは身近なところにある|プロジェクトマネジメント基本

プロジェクトのスケジュールを可視化する

プロジェクトのゴールが決まったら、タスクを洗い出し、スケジュールを引きましょう。

タスクを洗い出すには、まずざっくりとしたテーマを書き出してみると良いでしょう。

例えば、システム開発であれば、「要件の整理」「設計」「開発」「テスト」「移行」などです。

細かなタスクから洗い出そうとすると抜け漏れが起きたり、メンバー間でのディスカッションが発散したり、今どのフェーズの話をしているのかが分かりづらくなるものです。

まずは大枠を出した上で、各テーマについて詳細化していくのがおすすめです。

最終的には、1週間以内で終われる粒度になるように、タスクを詳細化できると良いでしょう。

タスクの洗い出しが完了したら、スケジュールを引きます。

スケジュールを引く際には、タスクの洗い出して実施したテーマごとに、マイルストーンをおくと分かりやすいです。

各マイルストーンでは、そのタイミングまでに完了しているはずのタスクが問題なく完了できているかをチームで確認すると良いでしょう。

マイルストーンを設定したら、マイルストーンの中に収まるようにタスクのスケジュールを引きます。

このときに、タスクを実行するメンバーの名前と、開始日、終了日、タスクにかかる日数(工数)を明確化しましょう。

一般的に、スケジュールを作成するには、WBSを利用します。

WBSのテンプレートはインターネット上にもたくさんありますので、活用してみると良いでしょう。

例えば、私が普段使っているNotionでは、いくつかのテンプレートが公開されています。

プロジェクトの体制を可視化する

複数人で行うプロジェクトでは、体制を明確にしましょう。

プロジェクトマネージャーは誰か、どんな役割か、タスクを実行する人は誰かなど、メンバーと役割を明確にすることで、今後のタスク運営がスムーズになります。

また、プロジェクトを進めていく上では、予想外の課題が発生したり、判断が必要になることもあります。

そんな時に「誰も決めることができない」「みんなが主導権を握りたがる」というような新たなトラブルを発生させないためにも、役割を明確化することが重要です。

役割を決める際には、各メンバーのスキルや性格も押さえておくと良いでしょう。

ビギナーしかいないプロジェクトでは、経験不足によりプロジェクト運営がうまくいかなくなることがあります。また、慎重派のメンバーが多いプロジェクトでは、リスクの高いタスクの割り振りが難しくなることもあります。
できれば計画の段階でスキルに配慮した人員調整ができると良いのですが、要員の都合でどうしてもメンバーが決まってしまっていることもありますよね。

こうしたことを事前に把握しておくことで、プロジェクト課題として早めに対策を検討しておくことが可能です。

プロジェクトが始まる際にコミュニケーションを図り、人物像を押さえておくと良いでしょう。

コミュニケーション管理の取り決めをする

プロジェクトの進捗、役割が決まったら、チーム内でのコミュニケーション方法を検討します。

例えば、以下のようなことを取り決めます。

  • 毎週木曜日の11:00〜12:00は、週次進捗管理としてオンラインで会議を行う
  • 毎日18:00〜18:30で夕会を実施する。夕会では個人のタスク状況を共有する
  • 軽微な報告・連絡・相談は、Slackの #projectname で行う
  • 緊急時には、プロジェクトマネージャーに相談のうえ、オンラインでの緊急会議を開催する

コミュニケーション方法を予め決めておくことで、進捗把握や問題発生時の相談などもしやすくなります。

プロジェクトで課題が発生した場合の取り決めをする

プロジェクトには課題がつきものです。

計画段階でどんなに精緻化したとしても予想外のことは起きてしまいます。

こうした場合に、どんな課題が起きたか、対応方法はどうするか、誰が行うか、いつまでに行うか、ステータスはどうなっているかなど、課題を管理する方法を決めておくと良いでしょう。

課題を洗い出す時には、重要度・緊急度も合わせて可視化します。
課題が複数発生した場合に、重要度や緊急度に照らし合わせて優先度をつけやすくするためです。
重要度・緊急度は、「高・中・低」「5・4・3・2・1」のように、誰が見ても優先度が調整できる定量的な内容にしましょう。

まとめ:プロジェクト管理は最初が肝心

プロジェクトが始まると、気合いが入ったり、不安になったりして、すぐにタスクに取りかかりたくなったりすることもありますよね。

ですが、特に複数人で行うプロジェクトでは、最初にプロジェクトの取り決めを行なっておくことがとても重要です。

最初にチーム内で取り決めておくことで、プロジェクトを進める上で迷った時や課題が出た時にも、冷静に「こうやって対処すればいい」と判断しやすくなります。

プロジェクトを任された時には、本記事を参考にいただければ幸いです。